【関東労災病院経営戦略室室長、救急総合診療科副部長 小西竜太】
マネジメント能力は診療能力と異なり、資格認定や経験値や実績値といった客観的指標では測定されるものではありません。360°評価などの主観的評価や、現在から振り返って見えてくる実績で測るしかありません。
受験戦争、国家試験、専門医・学位取得などを通じて、試験点数や経験症例数、インパクトファクター(文献引用影響率)など、客観的指標で評価される世界に生きてきた医師にとって、マネジメントは価値を感じにくいのかもしれません。
多くの一般企業では、マネジメント能力を適正配置や昇進・昇給などの人物評価の一つの要素としてとらえ、その能力開発に力を入れています。しかしながら、医療機関では管理職を除けば、マネジメント能力が評価されることはほとんどありません。診療や研究能力以外の面においては、人材開発が軽視されている現状があります。
この根底には、マネジメント能力は人格や性格といった先天的に備わっているものであるという考えや、医局や病院の管理者サイドが、能力開発して得られる効果を知らないという側面があるでしょう。
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