【富岡地域医療事務組合公立七日市病院 薬剤部 茂木徹】
今回はこの3つの課題への当院の取り組みを紹介します。
■MMSEを活用した内服自己管理の運用
認知機能検査であるMMSE(Mini-Mental State Examination)は、多くの回復期リハ病棟で機能訓練の評価に利用されています=表1=。当院の回復期リハ病棟(以下、当病棟)でも、セラピストが全患者にMMSEによる測定を行っています。
長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)と比べ、設問9(文章指示)や設問10、11(動作性行為)が加わっているのがMMSEの特徴です。服薬管理の場面では、文章指示は「薬袋を読み理解する」、動作性行為は「薬を取り出し飲む」などの服薬行為に反映されます。
脳血管障害、運動器障害、廃用症候群で占められている回復期リハ病棟の患者さんは、ADLの低下により、内服の自己管理が困難な方も多く見られます。そして、独居や日中は家族が不在のため、在宅に戻れば内服自己管理をしなければならない方もいます。
このような背景から、MMSEが内服管理の評価スケールとして利用できるのではないかと思い、MMSEスコアと内服自己管理能力の相関を調査しました。
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