【東京メンタルヘルス所長 武藤清栄】
職場におけるメンタルヘルス対策として、事業者は「4つのケア」に取り組むことが求められています。4つのケアとは、▽セルフケア▽ラインによるケア▽産業医や人事労務管理スタッフなど「事業場内産業保健スタッフ」によるケア▽地域産業保健センターやEAP機関(民間の心理相談機関)など「事業場外資源」によるケア―です。労働安全衛生法や労働契約法、そして安全配慮義務などにより、事業者は労働者が健康で働けるようにマネジメントすることが定められており、メンタルヘルス対策もその一つです。
■「上司への相談」が封じられてしまったEさん
ある病院に勤める介護福祉士のEさん(40歳、男性)は、20人いるケアワーカーの主任として働いています。仕事はテキパキとして、おまけにイケメン。介護スタッフや看護師、利用者からも人気があります。介護の主任はほかにもう一人いますが、きまじめで話が長いため、周りから煙たがられています。この病院では、介護スタッフは看護部に所属する組織体制となっていて、Eさんの直属の上司は療養病棟の看護師長です。
そんなEさんは最近、何か気持ちがスッキリしません。それは、上司の病棟師長が介護の仕事以外のさまざまな雑用を言い付けてくるからです。
次回配信は11月20日5:00を予定しています
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