【地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター看護部長 笹田友恵、経営企画グループリーダー 山﨑洋】
前回は、「その日に入院予定のたつ外来」を目指し、効率的な診察や検査を行う「Quick In外来」の設立経緯をお伝えした。Quick In外来は、外科・内科ともに症例を絞る形でスタートしたが、該当患者さんがいない時もある一方で、紹介患者さんが来院してみると、実はQuick In外来の対象だったケースもあった。
また、Quick In外来を受けた患者さんからは、「入院予定や治療計画が早く分かり、満足!」といった声があった。また、大きな病院では待つのが当たり前と思っていた患者さんは「結果が出るまでに時間がかかれば、家族もそれだけ不安が募る。早く分かってよかった」と安心したようだった。一方、「入院(手術)までに時間がかかりすぎる。検査などで、何回か足を運んでいた方が、気が紛れてよかったのに」といった意見も出るなど、その評価は別れた。
医師からは「診察時に欲しい情報がすべてそろっているので助かる」などと、評価する声があった。
2.Quick In外来によって「例外業務」が増えた
ただ、Quick In外来の流れを冷静に見直してみると、今までのやり方はそのままで、関係する職員が目標達成のために何とか対応している状況だった。しかも、対象者が少なかったからこそ、実施可能であり、仕組みとしてはムリ・ムダがあった。
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