【株式会社MMオフィス代表取締役 工藤高】
前回の当連載で「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)について、「A項目かつB項目」の現在の基準だけでは見えてこない情報があり、疾患や病期・病態を反映するには、A項目だけ基準を満たす患者などの比率も見るべきと述べた。
7月16日に開催された中央社会保険医療協議会の「入院医療等の調査・評価分科会」でも、同様の意見が出た。その模様は、CBnewsが分科会当日中の記事で「委員からは『A項目のみの評価の追加が必要だ』など、評価体系の見直しを求める意見が相次いだ」と報じていた。
「A項目かつB項目」の評価に異論相次ぐ-16年度改定の論点に
評価分科会の資料では、A項目2点以上の患者割合が中央値以上だった医療機関は全麻手術件数や放射線治療・化学療法の件数が多かったのに対し、A項目2点以上かつB項目3点以上の患者割合が中央値以上だった医療機関は、逆の傾向が見られたとしている=表=。
表 7対1病棟を有する医療機関におけるA項目2点以上の患者割合比較とA項目2点以上かつB項目3点以上の患者割合による比較
厚生労働省 平成27年度第5回入院医療等の調査・評価分科会(2015年7月16日)資料
■がん手術に強い病院は看護必要度の基準を満たすのが難しい?
評価分科会では、全身麻酔手術の件数別で医療機関をグループ分けし、看護必要度の該当患者割合を比較した資料も示している=グラフ1、2=。この結果から、全麻手術件数が多い医療機関ほど、看護必要度の該当患者割合が低くなっている傾向が見えてくる。これは100床当たりの実施件数で比較しても、同じ傾向が見られる。
次回配信は8月5日5:00を予定しています
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