【日本医業経営コンサルタント協会東京都支部理事 中小病院研究会 吉崎隆】
■透析医療を取り巻く環境
1.透析患者数伸び率の鈍化
透析医療を受ける患者は、これまで右肩上がりで増え、2011年末には30万人を超えた=図表1=(日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」より)。ただ、05年ころまで年間約1万人ずつ増加していたのが、その後上昇のカーブは緩やかとなり、13年は前年比で4173人の増だった。国民405.2人に1人が透析患者ということになる。
また、13年末の慢性透析患者の治療形態を見ると、昼間血液透析は26万3109人(83.7%)、夜間血液透析は4万1365人(13.2%)、腹膜透析は9245人(2.9%)で、夜間血液透析は近年割合が減少傾向にある。在宅血液透析患者は461人(0.1%)で、前年より68人増加した。
2.透析患者の高齢化(認知症患者および合併症患者の増加)
導入患者の平均年齢は右肩上がりであり、13年の導入時の平均年齢は、糖尿病性腎症で66.84歳、慢性糸球体腎炎で68.50歳、腎硬化症の平均年齢は74.59歳であった。導入患者の原疾患の第1位は糖尿病性腎症で43.8%、第2位が慢性糸球体腎炎で18.8%、腎硬化症が13.0%、不明が11.5%などとなっている。
導入患者の死因を見ると、第1位は感染症の25.9%(男女合計)、第2位は心不全の24.0%で、第3位は悪性腫瘍の12.1%だった。心不全、感染症、悪液質/尿毒症の死亡患者に占める割合は、高齢になるに従って増加している。
次回配信は7月24日5:00を予定しています
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