【株式会社MMオフィス代表取締役 工藤高】
筆者は前回の2014年度診療報酬改定の時に、医学通信社「月刊保険診療」14年2月号のインタビューにおいて「改定を一言で言えば7対1一般病床の『ふるい落とし』ですね」と答えた。世間では「絞り込み」という言葉を使用していた。そして、「そのふるい落としの受け皿が地域包括ケア病棟です。確固とした理念もなく7対1にぶら下がっていようとしても、平均在院日数や看護必要度、特定除外の廃止、在宅復帰率など両足に重りがかかって、それに耐えきれずに落ちていく。それは、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を思い起こさせます」とまで過激に表現したために多方面から怒られた。
財務省マターで7対1を9万床減らすというミッションを受けた14年度改定であったが、6月10日の中央社会保険医療協議会総会の資料では15年4月時点で36万3900床と、14年3月時点の38万400床から約1万6500床の減少となった。これは、財務省サイドとしては「1万6500床しか」減っていないとなる。つまり、16年度改定では7対1ふるい落としのためにザルの網目をもっと大きくしてくるわけだ。そのツールが前回14年度改定でA項目から血圧測定や時間尿測定が削除された「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の見直しであることは間違いない。
図 2014年度改定における「重症度、医療・看護必要度」の見直し内容
厚生労働省 2014年度診療報酬改定説明資料
次回配信は7月22日5:00を予定しています
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