【横浜市立大学附属病院薬剤部課長補佐 小池博文】
ジェネリック医薬品の選択にあたって、かつてはその有効性や安全性、添加物の相違によるアレルギー反応、海外製バルクの信頼性、供給体制の脆弱性など、先発品との差異についてさまざまな議論がなされてきた。しかし、現時点ではこれらの事項について臨床上の差異は見当たらず、医師の不安もほぼ払拭されている。同時に、わが国の審査基準と品質の高さについても周知の事柄となっている。
そこで、当院では選択のポイントとして品質や先発品との類似性ではなく、患者のアドヒアランスを左右する製剤的な工夫や医療安全の視点、業務効率などを考慮した利便性を重視している。また、原薬の仕入れ先を2か所以上持つ「ダブルソース」である製品は安定供給につながることから、高く評価している。ジェネリック医薬品の普及促進には低価格というだけでなく、製剤的な付加価値を有するものを医療現場では求めており、選択のポイントはセカンドステージに突入したと言えよう。
2.業務改善に貢献するジェネリック医薬品
ジェネリック医薬品への切り替えに際しては関係各部署への周知や電子カルテシステムのマスタ更新などの業務が生じ、薬剤部における業務負荷は非常に大きい。しかし、ジェネリック医薬品の中には、医療現場のニーズに応じて先発品を改良した製品も多く、それらを有効に活用することで業務改善にもつなげることが可能である。いくつか事例を紹介したい。
(残り4517字 / 全5148字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】