【社会医療法人生長会府中病院企画室室長補佐 奥村峰和】
1.後方連携
後方連携では、後方連携病院や介護施設、在宅支援を行う地域のケアマネジャーなどから深い信頼を得る必要がある。そこで大きな役割を担うのが、退院支援看護師とMSWである。
地域包括ケアシステムが推進され、病床の機能分化が進む中で、転院したり、在宅で医療や介護などを必要とする患者が増加している。当院では後方連携を強化する前、転院調整や退院支援をMSWに頼ることが多かった。急性期病院で退院支援が必要だという意識は看護師の中でも決して高くはなく、退院支援は特殊なものと考えられていた。だが、患者を身近で支援する看護師が退院支援に参画すれば、後方連携がスムーズになり、MSWの負担も軽減できる可能性があった。
このような退院支援のシステムを機能させるには、退院はゴールではなく、患者の療養生活まで考えなければならない。そこで、退院支援看護師と併せ、各病棟に退院支援リンクナースを配置した。
退院支援看護師の役割には、多職種協働を通じた退院支援の推進をはじめ、退院支援リンクナースとの院内連携や教育、地域とのネットワーク構築、研修会の開催などがある。
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