【宗和メディカルオフィス代表 原田宗記】
クリニックは地域医療が中心で、患者との距離が近く、病院より親密になりやすい。そのため、「こんなことで?」と思うような診療でのトラブルも発生しやすい。医療機関同士の連携が希薄になったことで、症状や薬の説明が原因で起こるトラブルもある。ネットで入手したにわか知識や事務的なミスでも医療ミスと考えるような社会的な風潮が、患者の権利意識を強くさせていることも大きな原因の一つと考えられる。中には患者側が原因と思われるケースもあるが、丁寧に対応しなければ予想外のトラブルに発展することもある。ささいなことでも、たちの悪い患者では嫌なトラブルへと変わる。変なトラブルに巻き込まれない診療スキルが必要な時代となっている。
■患者の付き添い家族が診察室で激昂!?
開業して15年になる整形外科の診療所。60歳を超える院長は、どちらかと言うと「診てあげる」というタイプ。診療技術は高く、自信も持っている。時に患者を怒ることもあったが、高齢者には人気があった。スタッフからは診療時の説明が乱暴な時があるという声もあったが、今更診療スタイルは変えられないという態度だった。
ある日、事務処理をしていると、「患者さんとトラブルになりそうなので、診察室に来てください」と看護師が呼びに来た。
次回の記事配信は、5月29日5:00を予定しています
(残り3266字 / 全3840字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】