【医療法人愛誠会 昭南病院 法人事務局長 鶴田光樹】
鹿児島県の医療は、人口当たりの病床数(特に療養病床と精神病床)が多いという特徴があります。看護師数も非常に多く、医師数と全身麻酔件数も全国平均を上回るなど、医療資源レベルは高い水準にあると言えます。しかし、県内医療にはもう一つの特徴があります。これら医療資源の「鹿児島市周辺への集中と依存」です。県内には9つの医療圏がありますが、鹿児島大医学部のある鹿児島市を中心とした「鹿児島医療圏」に人口の40%、医師数の54%、総看護師数の46%、全身麻酔数の68%が集中しています。
※以上、「地域の医療提供体制の現状と将来-都道府県別・二次医療圏別データ集(2014年度版)」(日医総研、高橋泰・江口成美)より
■医療過疎だからこそ第三者評価
私たちのように医療資源が乏しく、患者が病院を選択することのできない地域では、「病院の質」を担保する上で、第三者からの評価は非常に大きな意味を持つと考えます。病院の質とは「医療の質」と「経営の質」であり、この2つのバランスの取れた組織経営を大切だと考えています。このうち「医療の質」の第三者評価について、当院では、日本医療機能評価機構の病院機能評価を活用しています。
とはいうものの、恥ずかしながら当院が受審したのは、とにもかくにも「経営再建」の手段の一つとしてでした。新病院に移転して1年後の2005年に初めての審査(ver5.0)を受けたのですが、これまでもお伝えしたように、当時は健全経営とは程遠い状況で、いかに経営を立て直すかが第一優先でした。「機能評価の認定を取得すると診療報酬等でメリットがある」と騒がれていた時期でもあり、「よし、うちも!」となったのです。
次回配信は5月12日15:00を予定しています
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