【京都第二赤十字病院 医療情報室 山本順一】
当院の循環器領域における医療材料支出は、全体の約42%を放射線血管撮影室が占めており、ウエートは非常に大きくなっています。
※病院が主導して医療材料の購入先を決定し、シェアを背景に交渉を進め、購入価格をコントロールしていくこと
循環器領域の医療材料支出における位置付け
さらにDPCデータから見ても、循環器科における医療材料比率は実に診療科収入の54%を占めており、医療材料の購入価格をいかに抑えるかが、利益率を上げるポイントであると考えます。
DPCデータ(入院収入)で見た診療科別医療材料比率
このように、医療材料費のウエートが非常に大きな循環器領域ですが、一方で専門性も非常に高いほか、臨床における医療材料の重要度も高い領域です。また、医師とサプライヤー(メーカー・卸業者)の結び付きも強く、医療材料の最適化に着手する際にも臨床側からの激しい抵抗が予想されます。
そこで、当院では、この循環器領域を最適化するに当たり、循環器科医師を中心とする部門を超えたプロジェクトチームを発足させました。病院長をプロジェクトオーナーとしたチーム編成で、病院施策として医療材料の最適化に着手したことについては、前回説明いたしました。
循環器医療材料最適化WGメンバー
専門領域医療材料(循環器領域医療材料)の最適化プロセスは、大きく4つのプロセスで進めていきます。
①対象とする製品カテゴリーの選定(PCIバルーン・ステント等)
②施策検討・決定
③メーカー交渉
④シェアシフトの実施
(残り2076字 / 全2823字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】