【医療法人愛誠会 昭南病院 法人事務局長 鶴田光樹】
前回お伝えしたように、他業種から転職してきて当院の財務諸表の惨状に驚いた私が、経営の立て直しを背負って新トップに就いた朝戸幹雄院長と共に、まず取り組んだのが給与改革でした。
新院長就任の初年度で、赤字を出すわけにもいきません。何度も事業計画を練り直し、運営会議・理事会の承認を得るべく、必死で案をつくったのですが、最も問題となったのが「人件費」でした。
当時、給料を決定するのに、あるのは場当たり的な物差しのみで、確固たる基準など皆無。いわゆるどんぶり勘定です。こうした状況に対して、院長からの指示は「頑張った人が報われる給料体系をつくるように」というもので、私も同意見でありました。
病院勤務が初めての私には予備知識も、相談に乗っていただける医療事務関係者もなく、途方に暮れましたが、頼るものがなければ自分でやるしかないと開き直り、自分なりの方法で可能な限りの情報を集めて検討しました。そのうちに職種ごとの法則、パターンがあることに気付き、これを1つの基準として、さらに当院の思いや考え方を加味することで、当院オリジナルの等級表を作成しました。苦心の作の等級表は幹部会で承認され、まずはほっと一息つきました。
しかし、事はそうやすやすと運びません。次は職員への給与改定説明会が待っています。果たして納得してもらえるのか、不安の中で診療報酬改定間近の2006年3月、一番の大所帯である看護部への説明会を行いました。その結果は-。
次回配信は3月31日15:00を予定しています
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