【一般社団法人看護職の採用と定着を考える会代表理事 諸橋泰夫】
多くの看護職は、進路を決定する際、「人のためになる仕事だから」「母が看護師をしていて」「看護師さんにお世話になったから」という志望動機が大半であり、多くの学生が良いイメージを持ってこの業界に飛び込んでくるようです。しかし、現場の実情に触れ、「リアリティーショック」という洗礼を受けることが多いのも否定できません。給与水準もそれなりの職場は決して楽ではないのが世の常ではありますが、昨今の看護職不足において、本人の適性よりも有資格者であればとりあえず…といった採用する側の都合もあり、現場でさまざまなギャップを生んでいます。そこで、今回は看護職における離職要因の一つに挙げられる「燃え尽き症候群」についてお話ししたいと思います。
皆さんは、「燃え尽き症候群」というのをご存じでしょうか。看護職に限ったことではありませんが、バーンアウトシンドロームとも呼ばれており、高い目標や情熱を抱いて仕事に取り組んでいた人が、ある日突然、燃え尽きたかのように、急激に仕事に対する意欲を失ってしまうことです。最近、看護職の方の中で、この燃え尽き症候群にかかる方が多くなっており、問題視されてきています。
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