【日本福祉介護総研株式会社代表取締役・学校法人美芸学園理事 石郡英一】
介護施設における看護師の主な役割は、「病への支援」である。看護師の業務は、保健師助産師看護師法にある「診療の補助」と「傷病者の世話」、それに日本看護協会がうたう「健康の保持増進」と「疾病・事故の予防」とされている。この根本的な概念は、看護師がどこにいても変わらないが、病院と介護施設では価値観と主たる看護業務が異なる。
病院においては「治療第一」という絶対的価値観が存在する。そのため、看護師の仕事は診療の補助が主体となっている。絶対的価値観の根拠は、医師による治療方針であるため、診療の補助業務は医師のオーダーに従って明確に行われる。
それに対して、介護施設は治療第一ではなく、その人なりの「QOL(生活の質)第一」という相対的価値観が存在する。そのため、看護師の仕事は傷病者の世話が主体となっている。相対的価値観の根拠は、担当者会議などによって決定されるケアプランで、傷病者の世話はケアプランに従って緩やかに行われる。
次回の記事配信は、3 月27日5:00を予定しています
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