【日本福祉介護総研株式会社代表取締役・学校法人美芸学園理事 石郡英一】
人は元来、自分の信じる幸福に向かって進んで行く。人生という道は険しく長い。その道のりは人それぞれで、人生ゲームのように波瀾万丈である。玩具の人生ゲームは車に乗って進むが、本当の人生も車に乗って進むようなものである。
例えば、ある人は、生まれた時から父親の運転する車の後部座席に乗せられ、人生を走る。そのうち自立し、自分の手で車を運転し走っていくうちに、やがて結婚し、夫の運転する車の助手席に移る。子どもが生まれると後部座席に乗せ、走り続ける。その子どもも大きく育つと、自立して車を降り、自らの手で車を走らせていく。年を取り、夫が亡くなると、時に自分で運転し、時に子どもの後部座席に乗り、時にバスに乗って、幸福の終着駅を目指していく。
このように、人生を走る車では、さまざまなドラマがつくり出される。しかし、それぞれの車に乗り込み、それぞれのドラマをつくり出すにしても、皆に共通していることが1つある。それは、どの車もタイヤに支えられているということである。
そして、このタイヤには、ハンドル操作で進む方向を決める前輪のタイヤと、前に進むために駆動する後輪のタイヤの2種類がある。
前輪の方向性を決めるタイヤとは、「タ(楽しみ)」「イ(居場所)」「ヤ(役割)」のことを指す。つまり人生という道のりを走る時、人は楽しい方向に、そして自分の居場所がある方向に、さらには役割のある方向にハンドルを切り、進むのである。
一方、駆動する後輪のタイヤとは、「タ(体力)」「イ(意欲)」「ヤ(病)」のことを指す。人生という道のりを走る時は、体力と意欲が充実していると駆動する力が増し、逆に弱ってくると駆動する力が減る。さらに、病にかかっても駆動する力が減ってくる。
だから、人生という道のりを走る時には、これらタイヤのメンテナンスが重要となってくる。そして、自分でタイヤのメンテナンスができない場合には、プロにメンテナンスを依頼しなければ走れなくなる。
次回の記事配信は、3 月13日5:00を予定しています
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