【宗和メディカルオフィス代表 原田宗記】
診療所でも人事管理に絡むトラブルは多い。募集、紹介、採用、研修など、人材を探し、育成するためには費用と時間が必要になる。新卒から育てた人材も後から中途採用したベテランスタッフに洗脳され、「辞めてほしい人材」へと変わることも珍しくない。トラブル発生時に辞めていくのは「これからの若い人材」であることが多い。
また、診療所ではスタッフの能力差も明確になりやすい。同じ仕事量でもスタッフによって残業となるケースや仕事が終わりそうでも数分待ってからタイムカードを打刻するケースもある。「仕事を早く済ませよう」とする気がなく、明らかに「残業代を稼ごう」とする姿勢が見える時もある。経営側からすれば、効率よくと対応策を考えるが、厳しく管理し過ぎるとスタッフのやる気がなくなり退職につながる。経営する方は少しでも残業をさせたくない、働く方は少しでも給与が多い方がよい。そんな気持ちが予想外のトラブルに発展することもある。
■残業代を支払いたくない院長夫人
開院して3年になる内科の診療所。スタッフは少数精鋭主義で、受付2人、看護師1人の体制。院長夫人は看護師で、週に1、2回、忙しい日には診察介助でサポートをしていた。その後、ご子息が医大に入学したのをきっかけに、時間ができたからと週4日ほど受付も含めて手伝うようになった。勤務日数が多くなったことから、スタッフの患者さんに対する応対や勤務態度が気になり始めたようだ。
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