【株式会社コミュニケーション・ケア代表取締役 水上朝雄】
医療機関の勤務環境改善に向け、2014年10月から施行された改正医療法では、診療所や病院などの各医療施設に「PDCAサイクルによる計画的な勤務環境改善に努めること」が求められました。同時に、都道府県は「医療勤務環境改善支援センター」を設置して、こうした医療機関の取り組みを総合的・専門的に支援する体制をつくることとされ、現在、このセンターが次々に設けられているところです。福岡県では、法施行に先立って全国で最初にセンターを設置し、取り組みをスタートさせています。地元の医業経営コンサルタントとして携わっている筆者が、これまでの経過や課題などを2回にわたり報告します。
福岡県医療勤務環境改善支援センターは14年4月にスタートしました。センターには、社会保険労務士が毎日常駐し、医療労務管理アドバイザーとして医療施設からの相談に対応するほか、希望する医療機関には医業経営アドバイザーを派遣し、より直接的な支援を行っています。
医業経営コンサルタント協会福岡県支部の副支部長を務めている私は、この勤務環境改善事業がまだ労働担当部局の管轄だったころから、県の取り組みを聞いておりました。労働担当部局でも、医師会単位の出前講習会を開くなど、積極的に働き掛けが行われていましたが、当の医師たちが全く研修会に参加してくれないなど、なかなか実効性ある対策が打てていなかったようです。そして、事業が医療指導課に移り、支援センターの立ち上げ準備が始まってからも、何をどうすれば効果の上がる施策ができるのか、全く手探りの状態でした。
次回配信は1月28日5:00を予定しています
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