【東京女子医大 女性医師・研究者支援センター副センター長 野原理子】
皆さま、こんにちは。これまで2回は、医師が育児をしながら働く上での「上司」や「同僚」の在り方について書いてみました。さて今回は「家族」に目を向けてみましょう。主に女性医師が勤務医として働くとき、果たして家族は敵か味方か―!? ちょっと過激な言葉になってしまいましたが、考えてみたいと思います。
例えば、妻と子どものいる男性医師の場合。
一般的なビジネスパーソンの方と同様に妻が専業主婦であれば、夫は朝早く出掛けて夜遅く帰ってきても、時々あるいは突然の出張(医師の場合は当直など)で不在にしても、家のことは妻が一手に引き受けてくれるので、特に問題なし。元気に外で働いて、ちゃんとお給料を稼いでくれば、お父さんいつもありがとうと感謝され、妻からとがめられることは少なそうです。
対して、夫と子どものいる女性医師の場合。
「家族の迷惑にならないなら、働いてもいいよ」「子どもの世話や教育は大丈夫?」「そんなに忙しくて家のこともできないなら、仕事辞めたら」-。あれれれれ。実は外で働くことすら理解が得られないことも少なくありません。これも医師以外のビジネスパーソンの方と同じです。女性自身も、「自分が外で働くことで、家族に負担を掛ける」という意識が強すぎるように思います。専門的な知識や技術を持っていても、家庭での役割を無条件に求められがちな女性は外で働くことが難しいのです。
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