【SSLマネジメントオフィス代表 進士君枝】
今月、都内で開催された日本医療・病院管理学会において興味深いセッションがあった。
「症例トレース法は現場でのチーム医療の充実に資するか」をテーマに、同学会と公益財団法人日本医療機能評価機構(以下機構という)が共同企画したセッションで、機構側のサーベイヤーと受審病院側が、それぞれの実践に基づいて発表した。
「症例トレース法」とは、病院機能評価「3rdG:Ver.1.0」から始まった審査手法で、訪問病棟における典型的な症例をサンプリングし、患者さんにどのような診療を提供したのか、カルテや記録などから通覧して検証するものだ。ただし、医療内容の妥当性や医療技術者の力量を評価するものではなく、診療プロセスに沿って、仕組みの運用とその実態を追跡していく。特に、患者さんの健康利益の最大化を目指すための運用の仕組み、日常行っているケアや工夫を要する場面におけるケアの内容、そこに多職種がどのようにかかわっているかなどを検証する。
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