【国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科長 小川朝生】
前回、急性期病院におけるせん妄への対応の現状について概説した。今回は引き続き、せん妄への組織立った対応について考えてみたい。
せん妄の原因と治療については前回も触れたが、せん妄対応のガイドラインは現在までに海外から示されている。その指針の大きな方向性は、以下の2点にまとめられる。
1.発症予防
:入院初期のハイリスク患者の同定と、ハイリスク患者に対する▽促進因子の調整(見当識の補強、疼痛等症状管理の強化)▽直接因子の(可能な限りの)予防(脱水の予防、多剤併用の整理、感染予防)
2.重症化予防
:ハイリスク患者に対して、定期的にせん妄症状評価を実施することによる早期発見・早期対応
これに沿って対応のポイントを具体的に見ていこう。
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