【三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社主任研究員 岩名礼介】
日本の人口は2010年以来、減少を続けている。生産年齢人口の減少と後期高齢者人口の増加は、今後の日本社会の大きな特徴であり、介護現場でも、次の10年でその影響は目に見える形となってくるだろう。
先日、有識者らで組織する「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会は、20歳-39歳の女性人口が50%以上減少する800以上の都市を「消滅可能性都市」としてリストアップしたが、ほとんどの市区町村で、少なからず若年人口が減少する。他方、後期高齢者人口はほとんどの市区町村で増加していく。
地域包括ケアシステムは、こうした介護の担い手の減少と要介護者の増加という、これまでにない厳しい条件の中で構築されることになる。このため、担い手は需要があれば供給されるものといった従来の感覚で、サービス整備や専門職の役割を規定していては、ほとんどの取り組みが机上の空論になる。
今回は、この人口減少社会において地域包括ケアシステムを構築していく方法として、専門職の「ロールシフト」の視点から、全体を俯瞰したい。
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