【社会医療法人明和会医療福祉センター法人本部人事主幹 竹中君夫】
■はじめに
看護職(以下、ナース)の不足が深刻な社会問題として認識される中で、ワーク・ライフ・バランス(WLB)への取り組みを強化する病院が増えています。
日本看護協会(日看協)が2010年度から推進している「看護職のWLB推進ワークショップ事業」には、全国43都道府県の看護協会、400近くの施設が参加しています。しかし、先行してWLBに取り組んだ病院では、困難な課題に直面するケースも見られるようです。
わたしは12年度から日看協のWLBのプロジェクトに参加し、昨年度は15府県で講演などを行いました。
今回連載がスタートするに当たり、CBニュース編集部・大戸豊さんから幾つか質問を頂きました。それが、ワークショップに参加していた病院の方々が悩んでいた内容と近いものでした。そこで、質問に答えていくQ&Aのスタイルで進めていきたいと思います。
WLBは人事制度というだけではなく、組織マネジメントのすべてに関係するテーマです。わたしは、日々ナースの確保に一喜一憂している現場の人間だけに、少し偏った見方になるかもしれませんが、「これからWLB制度を整備したいけれど…」などと、今とても困っている病院様の立場で連載していきたいと思います。
まずは、「最初に考えておくこと」から始めましょう。
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