【セーフティスクラム代表/細木病院内科・臨床研修担当/高知医療再生機構企画戦略担当特任医師 鈴木裕介】
【セーフティスクラム代表/産業医科大学精神医学教室/高知医療再生機構メンタルヘルス相談室室長 菅健太郎】
研修医のメンタルヘルス不全を防ぐためには、早期発見および介入が必要です。一方で、各医療機関にメンタルヘルスの相談窓口が存在しなかったり、もしくは窓口がある場合でも会ったことのない教授クラスの先生が担当だったりするなど、活用する上で心理的なハードルがとても高く、機能しているとは言い難いのが現状です。
また、医師の53%が自分の心身の不調を他人に相談しないという報告(日本医師会の調査)もあり、不調の原因が本人にも分からない場合も多く、追い詰められやすい状況にあります。
そこで、2010年3月から、既存の産業保健システムや職域メンタルヘルス支援を補完するために、現場の研修医にとってアクセスしやすく実行力の高い支援の仕組みを考えました。同じ初期臨床研修制度を経験し、ある程度共感力に長け、研修医と年齢が近い若手医師主体でグループを組織し、セーフティネットの構築およびメンタルストレスマネジメント向上のための取り組みを行っています。
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