【四日市羽津医療センター健康づくり推進室副室長(臨床心理士) 古村香里】
当院がメンタルヘルス対策を含め、職員の健康管理をトータルに行う「健康づくり推進室」を設置するまでには、いくらかの経緯がありました。2006年に、厚生労働省から「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が出されたのを機に、当時の松本好市院長(現・名誉院長)が「チームで取り組んでいこう」と考え、07年に「メンタルヘルスサポートチーム(MST)」をつくりました。MSTは、産業医、看護師長、臨床心理士、事務職員がチームとなって、メンタルヘルスに特化する形で月に1度集合して情報交換しながら活動をしています。
しかし、その後、パワハラ的な問題での離職が重なったり、医師の中には多忙のためにうつ状態になり、体調を崩してしまう事例があったり、前院長は「もはやメンタルヘルスだけの問題ではない」との考えに至りました。そこで、「職場にはお互いのおせっかいが必要」との思いから、11年にもっとトータルに職員の健康にかかわっていくために、MSTの活動を発展させた「健康づくり推進室」を正式な部署として設置しました。
このような経緯から、健康づくり推進室は、自分のことを後回しにしがちな職員に、もっとセルフケアに目を向けてもらうための活動を始めました。大まかには、職員の健康管理業務を一元化して行うこととMSTの事務作業を部分的に補うことを主たる業務と考えています。室員は少しずつ変わり、現在は、室長(副院長)、副室長(筆者)、事務員2人、看護師、産業医の計6人で業務を行っています。
次回の記事配信は、7月10日15:00を予定しています
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