【株式会社MMオフィス代表取締役 工藤高】
■1日当たり外来単価もケースミックス次第
300床弱のA病院は、いつも外来に患者があふれている。もともと外来患者が多いが、院長自らが結構な頻度で外来診療を行っていることもある。院長は会うたびに「外来が忙しい」と愚痴をこぼす。
「うちで見るべき紹介患者を、長く待たせるわけにはいかない」という院長の論理は明快だが、1日1000人近い外来患者数に対応するため、医師、看護職員や事務職員など院内まで疲弊している感は否めない。午前外来が午後2時近くまでずれ込み、その後に医師が病棟で指示を出すため、薬剤部などの医療現場では残業が発生していた。
1日当たり外来単価が1万2000円前後をキープしているA病院。院長は単価もそれなりに高いと思っているようだった。中央社会保険医療協議会(中医協)の資料=グラフ1=と見比べても、病院の分布のピークは5000-6000円未満なので、確かにその金銭感覚は間違っていない。しかし、外来単価を単純比較してよいのだろうか。
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