中央社会保険医療協議会は18日の総会で、2012年度診療報酬改定に向けた、これまでの議論をまとめた中間整理案を了承。診療側が主張していた診療所の再診料の引き上げは盛り込まれず、参考意見の中で言及されました。今後検討するかは診療側、支払側双方の意見を聞いて決めることになりました。厚生労働省は同日から1週間、同案に関するパブリックコメントを受け付けています。
20日には、国民の意見を聞くため、愛知県の津島市文化会館で公聴会を開催しました。保険者や患者からは、診療報酬全体の改定率がプラスになったことに不満の声が上がりました。
小宮山洋子厚労相が中医協に12年度診療報酬改定を諮問。中間整理案へのパブリックコメント募集は25日に締め切る。20日の公聴会で上がった意見も踏まえ2月以降、点数配分の議論を本格化させる。
【中医協】12年度診療報酬改定を諮問- 辻副大臣「めりはりある改定に」
中間整理案の取りまとめに当たっては、診療所の再診料の見直しをめぐる議論が白熱。診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、病院勤務医の負担軽減には診療所の貢献が不可欠と強調。10年度改定以前の71点に戻すよう求めたのに対し、白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は引き下げを主張した。
【中医協】支払側、再診料「下げるべきだ」- 診療側委員は診療所71点を主張
厚労省は医療資源の乏しい地域に配慮するため、圏外への患者の流出割合や人口密度、面積当たりの病院・病床密度に関する3つの基準をクリアする19の二次医療圏(離島を除く)の看護配置基準や専従要件などを緩和する案を提示。
【中医協】19医療圏の看護基準を緩和へ- 地域特性に配慮、厚労省が提案
■19日(木)岡田克也行政刷新担当相
行政刷新会議で、診療報酬改定について、勤務医と開業医、診療科間のバランスなどを踏まえ、めりはりを利かせた内容にするよう厚労省に強く求めた。年度末で期限が切れる「介護職員処遇改善交付金」に代わり、加算が設けられる介護報酬改定にも言及し、職員の処遇改善が着実に実施されるよう要求した。
診療報酬、「めりはり利かせた改定を」- 岡田行政刷新担当相
■20日(金)中医協公聴会
11人が意見を発表。医療従事者からは、診療所の再診料引き上げ、薬剤師の病棟業務への評価などが要望された。一方、保険者や患者からは、デフレーションが続き保険財政が厳しい中で、診療報酬全体の改定率がプラスになったことに不満を示し、「限られた財源を効率的に配分すべきだ」とする意見が相次いだ。また、改定の影響を国民に分かりやすく示すべきだとの声も上がった。
【中医協】愛知県で公聴会、11人が意見- 患者や保険者、報酬増に不満も
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