小宮山洋子厚生労働相は18日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)に2012年度診療報酬改定を諮問した。中医協は同日の総会で、これまでの議論をまとめた中間整理案を了承。これを受けて厚労省は、中間整理案へのパブリックコメントの募集を同日にも開始し、1週間の日程で意見を受け付ける。中医協は20日、愛知県津島市で公聴会を開く予定で、これらで集まった意見を踏まえ、診療報酬点数の配分をめぐる議論を2月以降、本格化させる。同月中旬までに答申する。
了承された中間整理案は、社会保障審議会の医療部会と医療保険部会が決めた「診療報酬改定の基本方針」の項目に沿って、中医協での昨年末までの議論をまとめたもの。学会からの要望事項なども追記した。13日の総会での意見を踏まえ、文言に修正を加えた。
診療側は診療所の再診料の引き上げや、看護職員の夜勤を月72時間以内にする要件の見直しを主張しているが、整理案には盛り込まれなかった。ただ、これらを求める意見があったことを、参考意見として提示することになった。厚労省の担当者によると、診療所の再診料見直しを今後、取り上げるかどうかは、診療、支払側の双方から意見を聞いて決める。
中間整理案によると12年度報酬改定では、救急、周産期医療を推進する観点から、救命救急センターの機能強化や小児救急の充実を図るとともに、救急病院と後方病院の連携を推進。また、看護配置「13対1」以下の一般病棟や、療養病棟による軽症患者らの受け入れを新たに評価する。
このほか、病院勤務医の負担軽減策の検討を算定の要件にしている加算を現在の8項目から拡大し、一層の負担軽減につなげるための具体的な体制整備を求める。また、勤務医の事務作業を補助するスタッフ(医療クラーク)を配置した病院が算定できる「医師事務作業補助体制加算」の評価を、現場の実態に合わせて見直す。
昨年12月7日の中医協総会で厚労省は、医療クラークについて、一般病床の数に対し「30対1」などに配置した病院を新たに評価する一方、配置が手薄な「75対1」や「100対1」への評価は、引き下げや廃止を検討することを提案している。
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