後発医薬品メーカーなどによる医薬品医療機器等法(薬機法)の相次ぐ違反事例を受け、厚生労働省は6日、新薬や後発薬の新規品目に関するGMP適合性調査について実地を原則とする運用に見直す方針案を厚生科学審議会の部会に示した。2025年の通常国会に薬機法改正案を提出することを念頭に、年末までに結論を出す。【松村秀士】
GMP適合性調査は、医薬品や医療機器、再生医療等製品などの製造所での製造管理や品質管理が適切に行われているか調べるもので、現行の薬機法では書面か実地で行うことを規定している。
調査や査察のリソースに限りがあるため、実地ではなく書面で行われるケースがほとんどだ。医薬品医療機器総合機構によると、23年度は書面での実施が全体の約9割を占めたという。
医薬品業界ではメーカーによる薬機法の違反事例が相次いだことにより、GMPの適合性や取り締まりの強化などが課題となっている。そのため厚労省は6日に開かれた厚科審の医薬品医療機器制度部会で、品質のリスクが発生しやすい新薬や後発薬の新規品目に関するGMP適合性調査は、原則として実地で行う運用に見直す方針案を提示した。
一方、品目ごとの定期的なGMP調査では適切な製造管理や品質管理への適合状況をメーカーに申告させて、品質リスクや直近の調査からの経過期間などを製造所ごとに評価。リスクが高いメーカーを対象に実地調査を集約的に行う仕組みとする案も示し、いずれも異論はなかった。
次の薬機法の改正を見据えて、厚労省はこの日の部会で、
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