後発医薬品の安定供給に向け、厚生労働省は24日、5年程度の業界再編などの集中改革期間を設けた上でロードマップ(工程表)で改革の状況を確認することを盛り込んだ報告書案を有識者検討会に示した。後発薬の各メーカーには、生産性の向上やガバナンスの強化、業界再編や企業間の連携を自らが主導して進めるよう求めている。【松村秀士】
この日の意見を反映させ、次の会合での取りまとめを目指す。
報告書案では、業界再編の方向性として、▽製造・品質管理体制の確保▽安定供給能力の確保▽持続可能な産業構造▽企業間の連携・協力の推進-を打ち出した。
後発薬産業については、中小規模のメーカーが比較的多く生産能力や生産数量が限定されているため、収益性が比較的高い新規製品の薬価収載を繰り返すほかなく、市場からの品目の撤退が進みにくい。そのため、多くの品目を少量ずつ生産する企業が増えて、非効率さが指摘されている。
また、薬価収載後も「総価取引」などの流通慣行や競争によって価格がさらに下落し、低収益構造につながっている。
こうした問題を解決して持続可能な産業構造にするため、報告書案では各メーカーが少量多品目生産を適正化して効率の良い体制にするべきだと指摘。業界全体には、メーカーが安定的に収益を上げ、品質が確保された薬の供給に投資するという好循環を生み出せるように価格や流通の在り方を改善していくことを求めている。
少量多品目生産の適正化では、
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