厚生労働省は22日に開催した「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」で、薬局機能の見直しの論点を示した。夜間・休日や在宅医療への対応など、薬剤師が行うサービスを全ての薬局が個別にカバーするのは困難なため、同省では地域の複数の薬局が連携して対応することが必要なメニューもあると見ていて、個々の薬局が地域でカバーする機能を議論する。議論では、「健康サポート薬局」と「認定薬局」のそれぞれの役割を改めて整理するよう求める意見が相次いだ。【松村秀士、兼松昭夫】
地域に求められる薬剤師のサービスとして厚労省は、夜間・休日対応(相談・調剤)や、在宅対応(無菌調剤、麻薬対応、緊急時の対応など)のほか、
▽セルフケアの啓発を含む健康サポート
▽感染症法に基づく第二種協定指定医療機関としての対応を含む新興感染症・災害など有事への対応
▽症例検討会や勉強会の実施・参加など医薬品関連情報の発信
▽学校薬剤師や薬物乱用防止など薬事衛生-を想定している。
ただ、小規模な薬局がそれらの全てを単独で担うことは困難だとして、それぞれの薬局がかかりつけ薬剤師・薬局としての役割を果たすことを前提に連携を進め、地域全体で対応する仕組みの整備が重要だと指摘した。
そうした中、検討会では、健康サポート薬局や認定薬局の機能や地域での役割・位置付けの整理・明確化を議論する。
地域住民の主体的な健康の維持・増進を支援する健康サポート薬局は、厚労省が15年に作った「患者のための薬局ビジョン」に盛り込まれ、同省によると23年9月現在、全国に3,123カ所ある。
一方、認定薬局には地域連携薬局と専門医療機関連携薬局があり、患者の入退院時に医療機関と情報連携する地域連携薬局は24年2月末現在、全国に4,232カ所ある。
ただ、厚労省は、健康サポート薬局と認定薬局にはそれらの名称を使用(表示)できる以外のインセンティブが薬局側にない上、
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