財政制度等審議会の財政制度分科会が16日に開いた会合で、財務省は診療所の偏在を是正するため診療報酬の単価を地域ごとに設定する仕組みの導入を提言した。1点当たりの単価が全国一律で10円とされている現行の仕組みを見直し、診療所が不足している地域と過剰な地域とで単価に差を付け、診療所の過剰な地域から不足している地域への医療資源のシフトを報酬面からも促すべきだと指摘している。【松村秀士】
財務省は、当面の措置として診療所が過剰な地域で単価を引き下げた上で、それによる公費の節減効果を活用し、医師が足りない地域での対策を強化することを提案した。
夏に閣議決定される政府の骨太方針への反映を目指す。
会合後に記者会見した増田寛也・分科会長代理は、「医療資源が限界に来つつあり高齢者が増えていく中で、適正な診療報酬体系にしていくためには地域別の単価の考え方はあり得る」と述べた。
政府が2018年6月に決定した骨太方針2018には、「地域独自の診療報酬」の具体的な活用策の検討を盛り込んだが、実現していない。
■医師過剰地域での開業規制を
財務省によると、人口10万人当たりの無床診療所の数(全国平均78.2カ所)は、21年には特別区が112.5カ所、政令市は84.8カ所、中核市では79.9カ所、その他では68.9カ所だった。
また、首都圏1都3県の二次医療圏の医師偏在指標は、23年現在、
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