厚生労働省は10日、2024年度の診療報酬改定で一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の見直しを行うと、急性期一般入院料1を現在届け出ている病院の最大で2割近くが、見直し後は施設基準をクリアできなくなるとするシミュレーションの結果を中央社会保険医療協議会に報告した。【兼松昭夫】
シミュレーションは、厚労省がこれまでに示している看護必要度の項目に関する4つの見直し案ごとに行い、急性期一般入院料1では、急性期の治療が必要な「重症患者」の受け入れ割合の基準に関しても4パターンの見直しを組み合わせた。
どの組み合わせにしても急性期一般入院料1の施設基準をクリアできなくなる病院が出る見込みで、この日の総会で診療側からは「これまでの改定とは次元が異なる深刻な打撃を急性期病棟に与えることが憂慮される」(日本医師会の長島公之常任理事)などと、慎重な検討を求める意見が相次いだ。
太田圭洋委員(日本医療法人協会副会長)は、「(厚労省案は)どれも非常に厳しい」と述べ、抜本的な見直しが地域の入院医療の提供体制に取り返しのつかない影響を及ぼすことへの懸念を表明した。
一方、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、
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