医療従事者の賃金引き上げを実現させる診療報酬の新たな仕組みの具体化を巡り、厚生労働省は4日、中央社会保険医療協議会の分科会に新たなシミュレーションの結果を示した。病院や有床診療所に関するシミュレーションでは、初・再診料などへの上乗せによる不足分をカバーするため、入院基本料への上乗せ分として病院ごとに150通りの点数を設定すると、過不足を少なく抑えて財源を配分できることが分かった。【兼松昭夫】
医療従事者の賃上げは、看護職員や病院薬剤師、コメディカルの場合、24年度に2.5%、25年度に2.0%のベースアップを行うことになっていて、上乗せ分の点数設定を実際に何通りにするかなど、診療報酬による対応の枠組みを月内に固める。
賃上げのシミュレーションは、「賃上げ促進税制」が有効に活用されることを前提に、診療報酬での対応分を2.3%と想定。病院のほか、診療所(医科・歯科)、訪問看護ごとに行い、中医協の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」に4日、結果を報告した。
医科診療所1,051カ所のデータを使ったシミュレーションでは、
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