厚生労働省は30日、介護職員らの処遇を改善する3つの加算を2024年度の介護報酬改定で一本化する際の具体案を社会保障審議会の介護給付費分科会に示した。現在の加算に設定されている要件やサービスごとの「加算率」を組み合わせて4段階の区分を設定する。【兼松昭夫】
一本化後の新たな加算の名称は「介護職員等処遇改善加算」とし、事業所の職員への柔軟な賃金の配分を認める。
また、賃金規程の見直しなど事業者の負担への配慮から1年間の経過措置を設定し、従来の加算を算定している場合は、それに基づく加算率の継続を選択できるようにする。
介護職員の処遇改善のための加算は、現在は「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」があるが、厚労省は、24年度の介護報酬改定で一本化する。賃金改善を申請する際の事業者の事務負担を軽減したり、利用者に分かりやすい制度にして、負担増への理解を促したりするため。
厚労省案によると、介護職員等処遇改善加算による職員への賃金の配分は、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することが望ましい」という考え方がベース。ただ、職種に着目した配分のルールは設けず、事業所内での柔軟な配分を認める。
介護職員等処遇改善加算は4段階で設定し、介護職員の安定確保とキャリアパスの構築を通じた資質向上を促す。
江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、この日の分科会で、現在の加算では賃金の配分対象に含まれない介護支援専門員(ケアマネジャー)や送迎者の運転手を含め、事業所の全職員に配分できるかを質問した。それに対して厚労省は、
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