【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長 、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
財務状況が極めて良好である診療所の診療単価の引き下げをすべきだという指摘が財政制度等審議会からあり、これによる医療費抑制が検討されている=資料1・2=。病院と診療所の財務構造を比較すると、診療所では院長の報酬が極めて高いことが明らかになった=資料3=。勤務医の報酬からすれば確かに高額であり、これをどう考えるかということだろう。
連載第161回でも述べたように、医療経済実態調査の結果でも、病院は赤字であるのに対して、診療所、特に病床を有しない無床診療所の業績が優れていることが明らかにされている=グラフ=。ただ、診療所については個人立も多く、個人と医療法人で分けたものが表であり、やはり稼ぎが多い診療所が医療法人化し、病院と比べれば収益性が高いことが分かる。
自らの力で開業した診療所と組織で働く医師の報酬が異なることを同列で比較することは難しい。
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次回配信は12月12日を予定しています
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