【北海道介護福祉道場 あかい花代表 菊地雅洋】
厚生労働省は12月20日、「介護保険制度の見直しに関する意見」を公表した。これは、同5日に開催された第104回社会保障審議会・介護保険部会での提出資料(案)を修正・追加記載した正式版であり、このまま諮問される重要な資料だ。
5日の資料で白紙だった28ページの「2.給付と負担」については、30ページ以降にまとめられている。そこでは過去に議論された国民負担増と給付抑制策について、賛成・反対の両論併記という形で結論を先送りした内容となっている。
このうち、介護事業経営に多大な影響があると懸念された要介護1と2の人への訪問介護や通所介護を市町村の介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)へ移す案と、居宅介護支援費の利用者負担の導入案は、11月末に厚労省の複数の関係者が見送る方針であることを表明した。介護事業所の関係者は胸をなで下ろしていることだろうが、両案は2027年度の介護保険制度改正と介護報酬改定時にも議論の俎上に載ることが確実で、それに備えた理論武装などの準備は欠かせない。
■利用者負担増、結論先送りの背景
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