【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■看護必要度の向上はこの先も厳しい
2022年度診療報酬改定は「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の要件から心電図モニターの項目が除外されるなど、高齢患者の多い病院や在院日数の長い病院にとって厳しい改定となった。看護必要度の基準をクリアする正攻法は「要件を満たさなくなった患者を早期退院・転棟させる」と「看護必要度を満たす手術・救急患者等を増やす」の二つだ。前者は、予定入院の比率が高く、パスの見直しなどで改善を図ることができる病院はよい。しかし、患者の高齢化の進展と相まって、救急搬送患者の比率が高まっている病院では、看護必要度を満たさない患者であっても退院が難しいケースは珍しくない。高齢患者の退院できない理由は、病態だけでなく、家族の事情、後方病床や施設の事情など、さまざまな要因が複雑に絡み合っている。後者は多くの病院が当たり前のこととして取り組んでいる。結果、競争が厳しく、患者が増えないどころか減っている病院も珍しくない。また、手術・救急を強化するには、外科・麻酔科・救急などの医師の確保が重要となる。これらの診療科は現状、超過勤務の目立つ診療科であり、働き方改革の推進により、医師確保が一層厳しくなることが想定される。
正攻法が厳しいなら、
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次回配信は8月3日5:00を予定しています
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