【千葉⼤学医学部附属病院 副病院⻑、病院経営管理学研究センター⻑、ちば医経塾塾⻑ 井上貴裕】
■医薬分業の理念と敷地内薬局解禁
厚生労働省は医薬分業を推進しており、分業率は増加の一途をたどっている。病院ではすでに80%を超えている=グラフ1=。
グラフ1
社会医療診療行為別統計を基に作成
医薬分業の理念は、医師と薬剤師がそれぞれの専門性を発揮し、医師の処方に対して薬剤師が薬学的観点から処方内容をチェックし、重複投与や相互作用を確認することで、薬物療法の有効性と安全性が向上するというものである。そのために、薬局は経済的、構造的、機能的に完全に独立することが不可欠であり、医薬分業は処方監査と疑義照会が徹底される効果があるという。なお、厚労省は医薬分業を推進していると言われることが多いが、地域包括診療料において院外処方を行う場合には24時間開局の薬局であることが求められるなど、その方向性が一枚岩ではないのかもしれない=資料1=。
資料1
中央社会保険医療協議会 総会(第491回)資料
一方で政府の規制改革会議によって
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次回配信は6月27日5:00を予定しています
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