【北海道介護福祉道場 あかい花代表 菊地雅洋】
介護職員の月収を約9,000円引き上げるための「介護職員処遇改善支援補助金」の交付は、2-9月の給与支給分という時限措置だ。10月以降の給与改善の恒久化に向け、厚生労働省は介護職員処遇改善加算の新たな区分を作る方針で、そのために介護報酬を同月から1.13%引き上げる臨時改定を行う。関連の考え方を明らかにしている。
(https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000899197.pdf)
厚労省は、新たな加算の申請の受け付けを8月から開始し、補助金と同様に処遇改善計画書と実績報告書の提出を介護事業所に求める方針も示しているが、新加算は基本的に補助金の仕組みを踏襲している。算定要件は、▽現行の処遇改善加算I-IIIのいずれかを取得していることや、賃上げ効果の継続につながるように補助額の3分の2以上をベースアップ(基本給または決まって毎月支払われる手当)などに用いることで、これらの要件は補助金と同じだ。
ただし、サービス種類ごとに異なる新加算の加算率は、補助金の交付率と微妙に異なっており、一部のサービスが同率であることを除けば、新加算の加算率の方が補助金の交付率よりも高い。これは算出方法の違いによるもので、補助金が総報酬に交付率を乗じる仕組みであるのに対し、新加算は総報酬から既存の処遇改善加算、特定処遇改善加算の分を除いた点数に加算率を乗じる仕組みのためだ。これにより、加算率が変わっても、月9,000円の給与改善ができるという趣旨は変わっていないと厚労省は説明している。
■月収9,000円アップの職員は少ない見通し
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