【株式会社MMオフィス代表取締役 工藤高】
■救急医療係数は「損失補てん」の役割
当連載は昨年4月の開始から1年が過ぎた。1回目のタイトルはDPC/PDPSの「機能評価係数Ⅱアップは救急がカギ」であった。その中で、2012年度と13年度の機能評価係数Ⅱを比較し、係数合計が増加した病院は救急医療係数の伸びが目立つことを紹介した。つい先日、14年度の機能評価係数Ⅱの内訳が公開されたが、今回は「救急医療係数」を基準にして機能評価係数Ⅱについて検証してみたい。
救急医療指数(救急医療係数の元となる計算数値)は=表1=のように求められる。DPC/PDPS制度は、救急患者に対して入院初期にさまざまな検査や治療を要する一方で、包括評価となっているために各病院が持ち出しで対応しており、大きな負担となっている。包括範囲出来高点数とDPC点数の「差額の総和」を評価しているのは、この負担に対する損失補てん的な意味合いが強い。
表1 救急医療指数の計算方法
① 救急医療入院患者について、入院後二日間までの包括範囲出来高点数(出来高診療実績)と診断群分類点数表の設定点数との差額を計算し、総和を求める。
② ①を医療機関の1症例あたりに換算し、各医療機関の「救急医療指数」を算出。 平成26年度医療機関別係数の内示にかかるFAQから引用
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