中央社会保険医療協議会の総会が13日、年明け以降初めて開かれ、診療側は診療所の再診料引き上げを主張。これに反対の姿勢を示す支払側と意見を戦わせました。また厚生労働省側は、これまでの議論の中間整理案を提示しました。同省は、これへのパブリックコメントの募集を18日にも開始します。中医協では、これらを踏まえて診療報酬点数の配分をめぐる審議をスタートさせる方針です。
四病院団体協議会の賀詞交歓会であいさつし、2012年度診療報酬改定について、「地域医療を守れるような診療報酬の配分を考えている」と述べた上で、既存の有床診療所を手厚く評価したいとの考えを示した。
民主・櫻井氏「有床診の評価を」- 12年度診療報酬改定で
■13日(金)中医協総会
安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、「再診料は診療所の体力の基礎を支えるもの」と強調。この10年で診療所の再診料が5点引き下げられたことから、以前の水準への「回復」を求めた。
これに対し支払側は、医療経済実態調査の結果、診療所の収支が改定後にわずかながら改善されていたことなどを根拠に、「底上げの状況にない」(白川修二・健康保険組合連合会専務理事)と反対した。
同じ医療機関で一日に複数の診療科を受診した場合、初・再診料の算定回数が制限されるルールの見直しをめぐっても、診療側と支払側は対立した。診療報酬改定に向けて厚労省側は、2つ目の科目の再診料も一定の割合で算定できるように見直すことを提案している。
【中医協】診療所の再診料めぐり意見対立- 支払側「底上げの状況にない」
12年度診療報酬改定に向けた議論の中間整理案を厚労省が提示したが、診療所の再診料や、看護職員の月平均夜勤72時間以内の要件(72時間ルール)の見直しは盛り込まれなかった。
【中医協】厚労省、診療報酬改定の整理案- 72時間ルール見直しは盛り込まれず
■13日(金)中医協・医療技術評価分科会
開胸・開腹手術として保険適用されている手術に内視鏡を用いる場合、一定の要件を満たせば、12年度診療報酬改定で原則、保険適用とすることを厚労省が提案、了承された。適用拡大に伴う安全性の観点から、胸腔・腹腔鏡下手術に関する医療機関の施設基準を見直すことも決定した。中医協総会に1月中にも報告する。
報酬改定で腹腔鏡下手術の保険適用拡大へ - 中医協・分科会が了承
この日の分科会では、12年度診療報酬改定に向け、各学会から評価の要望があった医療技術793件(重複分を含めると985件)のうち、優先度が高いとする278件も決めた。新たな保険収載の候補はこのうち128件で、10年度改定で保険収載された72件を大きく上回っている。
保険収載の優先度高い新規技術128件決定- 月末の中医協総会で審議
■16日(月)足立信也・民主党参院議員(元厚労政務官)
党大会後、記者団に対し、中医協の診療側委員が主張する診療所の再診料引き上げについて、「ナンセンス」と述べた。
診療所の再診料引き上げ要求「ナンセンス」- 足立議員
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