2024年度介護報酬改定では、介護施設や事業所での生産性向上への取り組みを促す「生産性向上推進体制加算」を新設した。ICT機器の導入と継続的な活用を評価し、利用者の安全や介護サービスの質の確保などを検討する委員会の設置を義務付けた。委員会の設置には3年の猶予期間を設けた。【渕本稔】

　算定の対象となるのは、短期入所系や居住系、多機能系、施設系のサービスで、同加算Iは月100単位、加算IIは月10単位。

　加算IIの算定に当たっては、▽利用者の離床を感知する見守り機器▽インカムなど職員間の連絡調整の迅速化につながるICT機器▽スマートフォンなど記録作成を効率化する機器－のテクノロジーのいずれか1つ以上を導入しなければならない。また、委員会の設置とともに、厚生労働省の生産性向上ガイドラインに基づく改善活動を継続的に行うほか、業務改善の取り組みによる効果を示すデータを年度ごとに1回提出する必要がある。

　上位区分の加算Iの算定では、加算IIでいずれか1つ以上とされたテクノロジーの全てを導入した上で、加算IIの要件を全て満たさなければならない。さらに、▽介護助手の活用など職員間の役割分担に取り組む▽スタッフの超過勤務時間の短縮などで業務改善の取り組みの成果を確認できる－ことも必要となる。

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