【国際医療福祉大学大学院 医療福祉経営専攻 教授 石山麗子】
1月に運営基準案や介護報酬改定案が示され、とかく運営体制や報酬に意識が集中しがちな時期である。そこにQ&Aも発出されれば一層忘れ去られそうなことがある。それは昨年10月に改定された、ケアマネジャーがケアプラン作成時のアセスメント項目に用いる「課題分析標準項目」への対応だ。どうやら、改定そのものを知らず、対応未完が大半のようだ。
課題分析標準項目が改定されたのは、制度施行以来、実質的には初めてのことである。なぜ今なのか。なぜ、改定されたのか。本連載第9回「課題分析標準項目の改正で問われるケアマネの意識」の通りである。
課題分析標準項目の重要性は、アセスメントがケアマネジメント全体の根拠となることは当然であるが、今般の改定では2024年度から法定研修に導入される“適切なケアマネジメント手法”や、4月以降公開予定の改定版・ケアプラン点検支援マニュアルに連動していることが挙げられる。つまり(1)法定研修[学習すること](2)ケアマネジメント[実践すること](3)保険者によるケアプラン点検[事後点検]-という一連の流れに関連する。
ケアマネジャーの課題分析標準項目に関する認識と対応状況は、筆者が講師を担う研修その他で確認した限定的な範囲ではあるが、改定について知っているのは半数以下、事業所のアセスメントシートに反映済は5%未満に過ぎない。特徴的だったのは、
(残り1257字 / 全1875字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】