医療現場や患者の声を診療報酬改定に反映させるため、中央社会保険医療協議会が19日、広島市内で公聴会を開き、医療従事者や医療保険者、患者代表らが意見を表明した。医療関係者からは、地方の小規模な病院が夜間や休日を含めて高齢な救急患者の受け入れに対応することの困難さを指摘する意見があった。【兼松昭夫】
■地ケア病棟でも急性期並みの看護体制
社会医療法人社団沼南会が運営し、10対1の一般病棟などケアミックスの医療体制を整備している沼隈病院の檜谷義美会長は、高齢者の救急搬送への対応について、「10対1では夜間の救急や休日診療、休日の救急にはなかなか対応し切れない」と述べた。
看護職員の負担を和らげながら病棟の運営を続けるため、沼隈病院では、本来の基準よりも手厚い看護配置7対1の体制を整備しているという。檜谷氏は「余裕がないぎりぎりの状態でやっていて、疲労が蓄積すれば離脱するスタッフが必ず増える」とも指摘した。
地域包括ケア病棟などを運営している医療法人社団八千代会メリィホスピタルの浜崎忍副院長・看護部長も、「高齢な救急患者を、昼夜を問わずに受け入れている」と述べた。
単身・老老介護の世帯や認知症の人が増えて患者の背景が多様化しているため、
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