2024年度から行う診療報酬による賃上げを巡り厚生労働省は、初診料などに一律の点数を上乗せしても、十分な賃上げを見込めない医科の診療所を対象に追加で上乗せする場合のシミュレーションを行い、中央社会保険医療協議会の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」に17日、結果を報告した。【兼松昭夫】
厚労省では、分科会の取りまとめにそれへの意見を反映させる方針。
■「もらい過ぎ」対策も
新たな試算は、初診料や再診料、在宅患者訪問診療料に一律の点数を上乗せしても、看護職員らの賃上げが1.2%未満にとどまる見込みの149カ所の診療所を対象に行った。
「初診料・訪問診療料」と「再診料」への上乗せの追加分として、「8点・1点」(追加評価1)から「64点・8点」(追加評価8)まで8つを設定。1.2%の賃上げに必要な組み合わせを診療所が選択できるようにすると、85カ所(全体の57.0%)の追加分は最小の「追加評価1」に該当した=図=。
ただ、患者の負担増が大きい「追加評価8」が必要な診療所も11カ所(7.4%)あり、17日の分科会で津留英智委員(全日本病院協会常任理事)は、そうした診療所が患者に敬遠され、経営が厳しくなるリスクを指摘した。
医療関係職種のうち、
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