医師の働き方改革が始まる2024年4月に向けて、厚生労働省は、専門医としての高度な技能を身に付けるため、同年度以降も長時間労働を特例で認める医師(C2水準)の判断基準を決めた。内科や外科、総合診療など日本専門医機構が定める19の基本領域のうち、「公益上特に必要」な分野で、保険収載されていない新しい技術を学ぶ医師らを対象とする内容。【松村秀士、兼松昭夫】
「公益上特に必要」な分野に該当するかどうかや、長時間労働が必要かを医療や労働の専門家らによる審査組織が医師の「技能研修計画」や医療機関の研修環境を審査し、判断する。その結果、「やむを得ず長時間労働が必要」と認められれば時間外労働の上限が24年4月以降、年1,860時間に緩和される。
勤務先の医療機関が「医療機関勤務環境評価センター」の評価を受け、上限緩和の特例を適用する「特定労務管理対象機関」として都道府県に指定されることが前提。センターでは、医療機関による時短の取り組みや実績の審査を22年度に始める。
ただ、C2水準によって医師の働き方改革が進まなくなるのを防ぐため、審査組織と医療機関の双方に医師の相談窓口を設置する。また、審査組織に蓄積される技能研修計画を使い、C2水準の判断基準を定期的に見直す。
省内の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」に14日提案し、大筋で了承された。医師の働き方改革の議論はこの日一巡し、厚労省は関連の省令を年度内に整備する。
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