医療機関側において、経営上のメリットが乏しい―。「医師の働き方改革に関する検討会」で、厚生労働省が16日に示した、医師の働き方改革の検討の方向性などが盛り込まれた「中間的な論点整理」の案では、経営管理に関する論点も示された。改革に後ろ向きとなっている医療機関側の姿勢を変えるには、何が必要なのか。論点整理案には「国は必要な財源を確保する必要がある」といった意見が盛り込まれ、国による積極的な介入の必要性をにじませた。【新井哉】
■「フリーアクセス」で医療現場の業務量増加
昼夜を問わず患者への対応を求められる医師の仕事について、なぜ今「働き方改革」が必要なのか。その理由について、論点整理案では、「他職種と比較しても抜きん出た長時間労働の実態がある」と指摘している。
具体的な長時間労働の要因として、▽日進月歩の医療技術▽より質の高い医療に対するニーズ▽患者へのきめ細かな対応が求められる傾向―などを提示。患者やその家族の求めに応じ、診療時間外や休日であっても病状や診療方針の説明を行うことに触れ、「1人ひとりの医師の崇高な理念によりわが国の医療が支えられてきた」とした。
「フリーアクセス」の弊害にも言及した。患者の受療行動を尊重する考え方の何が問題なのか。
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