【久留米大学 特命教授(医療政策担当) 佐藤敏信】
2017年10月25日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会(以下、財政審)では、社会保障に関する資料が公表された。
前日24日の新聞には、「診療報酬は2%台半ば以上のマイナス改定をめざす」とあった。内容も、財務省と厚生労働省は18年度予算編成に反映する社会保障改革を巡る調整に入り、診療報酬改定では、薬剤師の調剤行為に支払う調剤報酬の大幅引き下げや、入院への診療報酬を厳しく算定する仕組みに改めることが柱で、値段の割に治療効果の低い薬の価格下げについても18年度に制度化する方向とあった。
もちろん、この財政審の意見がそのまま実行されるわけではない。筆者のこれまでの経験では、財務省としては相当に厳しいことは言うものの、そのうちの幾つかでも実現できればいいというスタンスだ。また、すぐには無理でも、次回やその次の改定までにらんで実現していく長期戦の構えなのだ。
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次回配信は12月11日12:00の予定です
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