中央社会保険医療協議会の「入院医療等の調査・評価分科会」は24日、地域包括ケア病棟・病室に入院する患者のデータを基に、その評価の在り方を話し合った。厚生労働省のデータでは、患者が自宅などから直接入院するケースでは検体検査などを行う割合が高く、急性期病棟での治療を経た転棟患者などの受け入れ時よりも高く評価すべきだと一部の委員が指摘した。その一方で、同病棟が持つ多様な機能を分断させかねないとして慎重な検討を求める意見もあった。【佐藤貴彦】
「地域包括ケア病棟入院料」と「地域包括ケア入院医療管理料」は、急性期治療後の患者や、在宅療養中に急性増悪を起こした患者を入院させ、リハビリテーションや治療を行って在宅へ帰す病棟・病室への評価。入院料も管理料も、一日当たりの点数は「1」が2558点で、在宅復帰率などの規定がない「2」が2058点=表=。
分科会が昨年度に実施した地域包括ケア病棟・病室の調査では、回答病院の35%で、「自宅等」(※)から直接入院する患者の割合が1割未満だった=グラフ1=。その一方で、「自宅等」からの患者が9割以上を占める病院も13.1%あり、地域包括ケア病棟・病室が実際に果たしている役割を評価に反映させることが、来年春の診療報酬改定に向けた論点の一つになっている。
※自宅か特別養護老人ホーム、居住系介護施設、障害者支援施設。
(残り1457字 / 全2030字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】